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「患者に見えた希望の光」

 〜脳髄液減少症との戦い〜

ある日、つづきは脳髄液減少症を患っていた患者さんとそのご家族にお会いし、お話を伺う機会がありました。その方のケースは昨年暮れに交通事故に会い、その10日後ぐらいから頭痛やめまい、倦怠感などに悩まされ始め、自分の体が自分のものではないような感じで、光や高い音もひどくストレスを感じるようになっていたそうです。

体の不調により職も失職し、入院しても辛抱できずに暴れたり、あげくは精神病とみなされもしたそうです。患者本人は、その苦しみを人に理解されない苦しさ、やり場のない気持ちを周りに当たるため同居している家族も地獄の日々が続いたそうで、お母さんは「周りに迷惑をかけるのであれば、いっそのこと、この息子を殺し自分も自殺したほうがいい」とまで思いつめたこともあったそうです。

この方の場合、幸いにもブラッドパッチ療法をしているドクターを紹介により早い時期に出会うことができ、自分の病気が脳脊髄液減少症と診断され、2回のブラッドパッチ療法により、以前には考えられないくらい体調が回復することができたそうですが、本人とお母さんからは「自分たちは幸いにもこの病気の治療技術をもつドクターを紹介して頂いたためここまで回復できたが、この病気に罹りながら原因も分からず、治療も受けられずに苦しんでいる多くの人がいるのではないでしょうか。

行政としても患者の相談窓口の設置や「脳脊髄液減少症」の啓蒙、治療機関の啓蒙や医療機関の態勢整備をしてほしい。少なくとも最初に行った病院の医師がこの病気の治療を出来なくても、その病気のことを示唆し医療機関を紹介してくれるだけでも多くの患者が救われると思います。つづきさん、そうして苦しんでいる多くの患者さんたちのためにも頑張ってください」とのことでした。

お母さんからは「この病気は本人またその介護をする家族でないとその苦しみは分かりません。落ち着いたら他に悩んでいる患者さんのために相談に乗るなどの協力をしたい」と言われておりました。

こうした患者さんの声を受け、つづきは行動を開始。県内所在の専門医師に詳しくお話を伺うなど調査を実施しました。

香川県においても18年3月議会において、公明党県議会の強い主張で全国で18都府県目となる「脳脊髄液減少症の国に対する治療研究推進および保険適用の意見書」が全会一致で採択(鞭打ち症患者支援協会の中井代表理事より御礼のお手紙を頂きました(別掲))、18年6月議会(一般質問)で取り上げさせて頂き、それを契機に県でも医療相談を受けている各地の保健所の所長及び担当ドクターが集まる定期会(保健所医師の会)において、保健師等が窓口相談で対応出来るよう「脳脊髄液減少症」及び「ブラッド・パッチ療法」を実施している医療機関について情報提供して頂けることとなりました。

直ぐに、お会いしたお母さんにご報告したところ、「本当に有難うございました」と感謝の言葉を述べられておられました。

更に、22年5月、特定非営利活動法人(NPO法人)「脳脊髄液減少症患者・家族支援協会」の中井宏代表理事らと共に、真鍋武紀知事あてに、同症の治療体制拡充(?県ホームページ上での医療機関の公表?県立病院での早期治療開始?患者相談窓口の充実と支援体制の確立の3点を要望するとともに、定例会での質問も実施していたところ、県としても、「脳脊髄液減少症」の治療体制充実を図るため、県のホームページで、県内で治療を行っている医療機関や症状などに関する情報掲載を始めることになりました。

加えて、医学会でも大きな動きがあり、公明党の全国的な強い取り組みが起こした世論の高まりもあり、日本脳神経外科学会がついに「診断・治療ガイドライン」を1年後をめどに策定する方針を打ち出し、本格的な研究が行われることとなりました。現在、診断基準の作成をめざす国の研究班に報告された症例数が、100例を超え、今後、基準作成に向けた作業に本格的に乗り出す方針で、治療への保険適用にも弾みがつくと期待されております。苦しむ患者家族に大きな朗報となりました。苦しむ患者さんが一人でも多く減るよう引き続き取り組んで参ります。

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